About Shelter
シェルターは1986年(昭和63年)の創業以来、高級フォノカートリッジを伝統的手法によって作り続けている日本のアナログオーディオ専門メーカーです。シェルターのMCフォノカートリッジはすべて、熟練した生産技術者の手によって日本国内の工房でハンドメイド生産され、創業者・設計者である小澤 安生(おざわ やすお)自身によって出荷全数の品質が確認されています。ブランド名の「シェルター(SHELTER)」とは、音楽再生の極点を目指す世界中のレコード愛好家が信頼し、時に身を寄せることのできる、アナログオーディオの“隠れ家”となることを願って命名されたものです。
趣味のオーディオ装置が奏でる音色、それはオーナーひとりひとりの生き方や価値観の反映であり、ひとつとして同じ音はありません。とりわけアナログレコード再生は、たとえばフォノカートリッジとヘッドシェルとを固定するネジを交換するだけでも音が変わるほどセンシティブなものです。このことは、オーディオ趣味が絶対的な音の優劣を競うものではなく、あたかも一枚の絵を仕上げていくような自己表現の手段として在ることを示しているのではないでしょうか。シェルターのフォノカートリッジは、色づけのない音楽再生の純度をより高めたスムーズな聴き心地を通して、あなたにしか描き出すことのできない音の個性をより良く実現するために生まれました。聴きはじめは少し物足りなさを覚えるほど穏やかで、しかし何年聴き続けても聴き飽きることなく、いつも新しい発見がある。この音こそ、私たちがすべてのシェルター製品に込めた真の個性にほかなりません。
シェルターのMCフォノカートリッジは新奇なデザインを避けた簡潔な構造を持ち、その結果としてモデルチェンジが少なく、製品寿命が長いという特徴を備えています。加えて構成部品にも実績のある安定した素材のみを慎重に選び抜き、モデルライフの途中で意図せぬ音質変化がないよう配慮しています。また、創業以来ひとりの設計者が全製品を監修するシェルターならではの特徴として、販売済み製品のアフターフォローにも誠意をもって対応させていただいており、たとえば1986年発売の第1期製品である旧701シリーズであっても、針交換価格で現行モデルへの本体交換が可能です。シェルターのMCフォノカートリッジの素直で自然な再生音は音楽ジャンルを選ばず飽きがこないので、皆様のリスニングルームのリファレンスとして末長く活躍するものと自負しております。
東京生まれ。少年期より楽器の音色に魅せられ、その忠実な再現を求めてオーディオ機器の自作を始める。中学生の頃からアマチュアとして数多くの真空管アンプの製作を手がけ、アンプ設計者を目指して大学では電気工学を専攻するが、自らがイメージする音色の再現を全体設計として実践できるアナログピックアップの魅力を知り、1982年に旧フィディリティ・リサーチ(FR)に入社。ここでフォノカートリッジ設計者としてのキャリアをスタートさせる。FRでMCフォノカートリッジ「MCX-3」「MCX-5」などの開発に携わったのち、1986年に独立して有限会社シェルターを創業。以来一貫してMCフォノカートリッジの設計開発を行い現在に至る。